第24章 姉弟恋愛*朝日奈風斗[ブラコン]
「じゃ、それだけ。バイバイ。」
私に背を向ける。
(…このままじゃ風斗くんとは会えなくなってしまう……!)
身体は咄嗟に動いた。
出て行こうとした風斗くんの服を掴む。
「…なに?」
突き放すような声に一瞬怯む。
「用が無いなら離して。」
「なんで…」
「えっ?」
後のことなんて知らない。
今の私のありのままを伝えよう。
「なんで、兄弟なのに…こんな気持ちになっちゃうの?……離れたくないって思っちゃうの?!」
手の力が自然と強くなる。
「それは…」
くるりと軽くターンして私と向き合う。
そしてギュッと抱きしめられた。
「姉さんがボクのこと、好きだからでしょ?」
「そうだと思う…」
兄弟だってどうでも良くなるくらい、好きになってしまったのだ。
もう止められない。
「やけに素直だね。」
ニィっと笑うと、私にキスを落とす。
「…っ!」
「ボクも好きだよ。…奏」
演技じゃない、嘘偽りの無い言葉。
この先なにがあるかは不安だけど…
私はずっと生意気で愛おしい弟に振り回されるのだろう。
そんな未来は確信できた。