第24章 姉弟恋愛*朝日奈風斗[ブラコン]
ーーーーーーーーーーー
あれから数ヶ月がたった。
風斗くんは仕事が忙しいらしく、あれ以来話すどころか会ってもいない。
テレビから元気なのはわかるけど、それもアイドルとしての顔。
実際どうなのかわからない。
私はリビングでぼんやりテレビを眺めていた。
平日の午後。
私以外いない。
キィ
突然、ドアの音が聞こえた。
(こんな時間に誰だろ?)
視線をやると驚くべき人物がいた。
「…風斗くん。」
「久しぶり。」
いつもと変わらないように見えるけど、私には疲れているように見えた。
「…バカ兄貴たちに言うつもりはないからさ。姉さんにだけは言っておくよ。」
心の奥がざわめく。
嫌な予感がする。
「ボク、アメリカに行くから。」
その声に別れの予感を直感する。