第24章 姉弟恋愛*朝日奈風斗[ブラコン]
ーーーーーーーーーー
部屋に着くと、いつもより優しくベットの上に座らされた。
のぞき込むように視線が重なる。
真剣な風斗くんの眼差しから逃れられない。
「風斗くん……」
「もうこれで彼氏の心配は無いよね?」
その通りなんだけど、頷く気にはなれない。
「…もう一度言う。」
言葉の真剣さから察するに、冗談ではなさそうだ。
色々な思いが交ざって、複雑に絡みつく。
「最初は冗談だったのに、いつの間にか本気になってたんだ。……好きだ。奏。」
「……」
なんで名前、呼ぶの?
やめてよ、どうして……
「私達、兄弟なんだよ…?」
姉弟の恋愛なんて…
「ボクは姉としてのアンタを好きになったんじゃない。女のアンタが好きなんだ。」
「それでもっ…!」
自分でも驚くくらい強い口調。
そして、
「私は風斗くんを弟だって思ってるから…!」
自分でもわかる暗い声。
「……1人にさせて。」
「え…」
「いいから、出てけよ!」
強い声に促されて、私は部屋を出た。
…風斗くんを傷つけてしまった。
その事実が私の胸に深く刺さった。