第24章 姉弟恋愛*朝日奈風斗[ブラコン]
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見たくないものを見てしまった。
「ん、姉さん?どうしたの。……ってどこいくんだよ!」
風斗くんの声も無視して、私は走った。
「ねぇ…その人誰?」
「っ!…奏?!」
彼氏が…他の女性といた。
「…もしかして浮気?」
違うって言ってほしかった。
でもその言葉はない。
「なんで…っ!」
「お前だって、男連れてんじゃん。」
振り返ると風斗くんが立っていた。
「この子はおと……んん。」
後ろに立つ風斗くんの手が私の口を押さえる。
そうでなくても風斗くんの迫力に声を失った。
「あんたみたいな奴に奏は渡さない。」
「ふ、風斗くんっ!?」
宣戦布告に目を丸くした。
「大声で名前、呼ばないでよ。バレるじゃん。………行くよ。」
「っ…!」
ふりほどけないほど強い力で引っ張られる。
そのまま無言で部屋まで連れて行かれた。