第23章 夏祭り*黒尾鉄朗[ハイキュー]
「クロ…ごめんなさい。」
怒られると思って俯いていると、
「いや…奏のせいじゃない。」
「え?」
顔をあげるとほんのり赤いクロがいた。
「…これ。」
差し出されたのは可愛らしい猫のぬいぐるみだった。
「かわいい…」
「これ、見つけて。お前が好きそうだなって思ったら、いてもたってもいられなくなった。」
クロの思いで私の気持ちは明るくなった。
「…ありがとう。」
思わずぬいぐるみをギュッと抱きしめていた。
「もう離れないように。ほら。」
握られた手は熱かった。
ありがとうって気持ちを込めて、私はキュッと力を込めた。
「…てか最初から握っとけば良かった。」
「なんで?」
「お前が迷子にならないわけがないから。」
「うっ、そうかもしれないけど…」