第23章 夏祭り*黒尾鉄朗[ハイキュー]
でもクロは来るって確信はあった。
私はただじっと待つ。
でもかけられた声は待っていたものじゃなかった。
「ね、きみ1人?」
「俺たちと回らない?」
軽そうな声に嫌気がさす。
「いえ、人を待ってるんで。」
「こんなところで?」
こんなところだから…とは言わないでおこう。
「そだ、オレらと行けば友達にも会えるかもよ?じゃ、行こーか!」
「っ!」
強い力で腕を引っ張られる。
女の私の力では外せない。
「は、離し「離せよ。」…!」
上を仰ぐとそこには待ち望んだ人。
「クロ…っ」
目頭が熱くなる。
「悪いが、こいつは俺の女なんでね。行くぞ。」
また強い力で腕を引っ張られる。
でも今度は安心できた。