第17章 いつもそばに。*桜井良[黒バス]
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少し甘い花の香が、春の盛りを告げる。
四月になった。
春は出会いと別れの季節。
…なんて言うが、その別れというものが私の心に何度も何度も大きな傷を残している。
咲き誇る桜を見上げながら、私はため息をついた。
「…奏ちゃん?」
「え…あ、良!」
突然話しかけられたことに驚いて、振り返るとそこには良がいた。
「あ……驚かせて、スミマセンっ!」
「うんん!こっちこそ、驚いてごめんね。」
良は私のより一つ年下のお隣さん。
小さい頃から仲がよく、一緒に遊ぶ…まぁいわゆる幼なじみってやつ。
料理とかも一緒にやってたから、女子より女子力の高い男子になってしまった。
後、すぐに謝る癖も私たちには共通していたりする。
……良がこうなったのは私のせいではないと信じている。