第17章 いつもそばに。*桜井良[黒バス]
「そういえば……」
ふと良の装いがいつもと違うことに気がついた。
真新しい制服が可愛らしい。
「そか…今日、入学式だったんだね。」
中学校は一緒だったけれど、良はバスケの推薦で桐皇学園に入学した。
確かに、良のバスケは凄い。
あまりバスケを知らない私でもそう思えるくらい。
あのクイックリリースは良にしか出来ないだろう。
ここで私はいつも、良の実力と性格のギャップを不安に思う。
実力がしっかり評価されているのかと。
しかし、今は違うことが頭をよぎっていた。
一年前に行われた自身の入学式のこと。
……あの頃も傷ついてたっけ。