第15章 Moon Light*美風藍[うたプリ]
そして何かを決意したようだった。
「待っててくれる?ボクが奏を迎えにいくまで。」
「…本当に?…本当に迎えに来てくれるの?」
まだ思考はふわふわとしている。
「もちろん。…それまでのお別れ。またね。」
私に背を向けて行ってしまう、藍君。
その背中を追いたかったけれど、ぐらりと視界が揺れた。
「………ーーーー!」
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(あっ…!)
起きるともう夜だった。
海は月明かりを受けてキラキラ輝いている。
(キレイ…!……って、ん?)
私は気がついた。
足跡が増えていることに。
その足跡は私の方に延び、そして私から離れるように去っていく。
「…まさか、藍君?」
(じゃああれは夢じゃなかった…!?)
恥ずかしさとともに、心が満たされていくのを感じた。
私は藍君を信じるよ。
迎えに来てくれるって。
次会うときは私も成長しているかな?
月に向かって手を伸ばす。
あの月のように輝きたい…
藍君の隣にいて相応しいように…
そして、あなたを照らせるように……