第13章 涙の代わりに…*伊月俊[黒バス]
「良かった…!」
安心して気が抜けたのか、ポロポロと涙をこぼす彼女。
「俊くんに置いてかれたのかと思った…!」
「そんなことするわけないだろ?…これ、涙のお詫び。開けてみて?」
さっき買ったばかりのプレゼントを渡す。
「これ…!」
選んだのは、クロスのネックレス。
「実はそれ、ペアルックなんだ。」
俺のも取り出す。
ちなみに俺のは、クロスの部分が空いたプレートのキーホルダー。ネックレスはあまりつけられないからチェーンを変えてもらった。
「ありがとう…!」
微笑む彼女。
涙の代わりに笑顔が見られて良かった。
…ネックレスとキーホルダーを組み合わせると、カチンと心地よい音が響いた。