第16章 嘘と真実

そっと近づいてきた平門が、キスで涙を拭ってくれた。
私の…本心…？
今のが…本心…だよ…？部下として…
そう思ってるのに、涙が溢れて止まらない…どうして…？
「大丈夫だから…ちゃんと言ってごらん？」
優しい、平門の声…
そっと抱きしめられた腕の中が、暖かい…
「部下として…」
「まだそれを言うか…悪い子には、お仕置きだな」
いたずらっぽい笑顔を見せた平門に、深いキスをされた。
息継ぐ間もないくらい、翻弄される…平門の熱いキス…
ようやく唇が離れて、平門の顔が近くにある…