千銃士【Noble Master Project】R18
第7章 鷹狩り
「マスター…ご気分は、悪くありませんか…?」
シーツにくるまった沙優を、金髪の紳士が覗き込む。
「はい…むしろラクになりました……」
「それはよかったです。その…少々、無理をさせてしまったかと思いまして」
(確かに……ケインさんは、いろいろと…凄かったけど)
数刻前の出来事に思いを巡らせ、沙優はふと息をつく。
奇銃強化のため、キセルの次にケインからNoble Kissを貰うことになった沙優だが、普段の穏やかな物腰とは裏腹にケインはかなり激しかった…。
無事にローズペタルが花となりケインの中に消えていくのを見届けると、沙優はそのまま眠りについてしまった。
(ケインさんのNoble Kissは……痣の熱は回復するけど、身体は疲れる……かな…)
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数日後
ナポレオンとラップはアメリカ組の4挺…ブラウン・ベス、シャルルヴィル、スプリングフィールド、ケンタッキーと共にパリへの遠征へと出かけた。
ケインは訓練のためマフムトと共に近隣の街へと偵察へ行き、キセルはフルサト、キンベエと共に基地内で鍛錬を積むとのことだ。
パリ行きのみんなを見送り、ケインとマフムトを見送ると、沙優は洗濯物を干しに庭先へと向かった。
基地にある銃はもう殆ど召喚したし、パリ行きの皆は隠密行動だから怪我する可能性は低い。訓練の怪我も大したことはないと思うし…しばらくはNoble Kissを貰わなくても済みそうだ。
(それでも、やれることはやらないと)
このレジスタンスという組織は「ヒノモト」と似ている。
ヒノモトも、活動は部門ごとに分かれていたが皆家族同然だった。
特に沙優は兄がメカニックにいたので、年配の技術工たちには可愛がられていたし、金属や銃器の手入れする音や匂いは懐かしく思える。