千銃士【Noble Master Project】R18
第6章 キセル(R18)※no shades
「…あ……あぁ……うわぁぁぁぁぁ!!!」
キセルは脱ぎ捨てた服を抱え、一目散に部屋の隅へ逃げた。
そして背を向け……丸く縮こまっている。
(………い……いつもの……キセル……??)
おそらく、何かの拍子にサングラスが外れてしまい……キセルはいつもの状態に戻ってしまったのだ。
これは……かなり、まずい。
(どうしよう……)
沙優はとりあえず自分のガウンを羽織り、部屋の隅で震えるキセルの元へ歩み寄った。
「……キセル…?」
「……こ……こっち……こっち、見ないで……っ……」
(……困ったなぁ)
でも。
……カタカタと震える、滑らかな白い背中。
些か元気の無くなってしまった深紫の髪。
(威勢のいいキセルも魅力的ではあるけれど……)
沙優はキセルの背中にそっと触れた。
「っうわぁぁっ……!!」
びくんっ、と大きく震え、身体をぎゅっと固くする。
「……キセル………怖がらないで……」
「………っっ…」
固くなった背中に、沙優はそっと額を重ねる。
「……キセルが、嫌なら……もう終わりにしていい、から……ね…?」
「……っ、あ……あぁ……ち……ちが……違うんだよ、マスター……」
慌てたようにキセルが振り返る。
が、目が合った瞬間慌てて逸らし、所在なげに視線を彷徨わせた。
「だからっ……ちが…う……」
「……うん…」
震える指先が、胸元に抱えた自分の服を握りしめている。
「いっ……嫌な、わけないんだ……マスターのこと……大好きだから……すごく、すごく嬉しくて……でも、こんな俺なんかが……マスターのかっ……身体に……あぁぁぁっっ!!」
先ほどまでのことを思い出してしまったのか、キセルは再び頭を抱え叫んだ。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…マスター……本当にごめんなさい、ごめんなさ…」
「キセル」
「あっ……!」
沙優の手がそっと、キセルの髪に触れる。
そして……ゆっくりと、ゆっくりと撫でた。
「謝ることなんて……ないよ……キセルのおかげで…すごく、楽になったよ……」
「……え………」