千銃士【Noble Master Project】R18
第4章 勲章
戦闘の中で、己の高貴さが結晶化し、そして勝利の賛美として舞い散る。
それが、貴銃士だけに起こる現象…「ローズペタル」である。
ローズペタル(バラの花弁)が集まると勲章となり
貴銃士の能力が上がる。
戦闘でしか得ることのなかったペタルと勲章が…まさか、Noble Kissで得られるとは思わなかった。
(資料にはそんなこと書いてなかったが…)
恭遠はNoble Master Projectの資料を見つめながら、顔をしかめる。
しかし事実、イエヤスは勲章を得た。
(これは…もし……もし可能ならば)
いや、でも。
ここは「彼女の意思」を最優先にしなくてはならない。
(彼女が今後、Noble Kissを受け取るのはイエヤス、と指名するならば……それは尊重せねば)
実際、絶対高貴の貴銃士6名のうち
アレクとマフムトはこのNoble Master Projectには不参加と意思表示をしている。
ナポレオンとラップは保留
フルサトは「マスターが傷つくくらいならワタシが守るワ」と息巻いていた。
(そもそもフルサトは可能なのかが怪しいが)
そんなことを考えていると、恭遠の背後に二人分の足音が聞こえてきた。
「お久しぶりです、恭遠さん」
振り返るとそこには、モノクルを付けた長身の男性と…深紫の髪を垂らして俯く姿勢の悪い男性がいた。
「や……やぁ……また…呼び出されちゃったよ…ハ、ハハ……」
恭遠は懐かしい顔ぶれに目を細め喜んだ。
「おかえり…!ケイン、キセル!!」