第7章 告白①(夢主side)
でも輪虎様の声は予想外の優しいものだった。
「そっか…どことなく違和感を感じてたのはそういうことか……」
驚いて顔を上げると輪虎様は優しく微笑んでいる。
「え……信じてくれるの?」
「うん。理解は出来ないけどね。それに信じて欲しくて話したんでしょ?僕にこんな嘘ついたところで何の得にもならないしね。」
涙が溢れた次の瞬間、輪虎様にふわっと抱き締められていた。
「っ!?」
「一人でずっと力入れてきたんだね。よく頑張ったね。よしよし…」
そっと頭を撫でられ初めて自分の体が強張っていることに気付いた。
そしてその優しさに止めどなく涙が溢れ泣きじゃくっていた。
(ずっと一人だと思ってた…寂しくて、不安で、辛くて……力を入れ続けていないと潰されそうだった…ようやく力を抜いていいんだ……)
輪虎様は何も言わずに優しく頭を撫で続けてくれた。
温かくて大きくて安心する…そんな手で……
「ありがとう…こんな話きっと信じてもらえないと思ってた……」
そう言って顔を上げると輪虎様の意地悪な笑顔が浮かんだ。
「ふふっ。君、今ひどい顔だよ。」
そう言って涙で濡れた頬をムニッと両手で摘ままれた。
「りんふぉさま?いふぁい…」
頬を摘ままれて上手く言葉にならない…そんな私を愛おしそうに見つめている。
「ごめん、ごめん。話してくれてありがとう。さすが僕が離したくないと思うくらい惚れ込んだだけあるね。」
「えっ?」
驚いて涙は止まり、思わず目を見開くと少し呆れ気味に言われてしまった。
「えっ?…て、何の興味もない子を屋敷に置いておくワケないでしょ?」
「将軍とか身分が上の人達のよくあるお戯れとか気の迷いかと思ってた……」