第7章 告白①(夢主side)
はぁ…とため息が聞こえた。
「あのねぇ……戯れで女の子を屋敷に連れ込む程僕ヒマじゃないよ。こう見えて結構忙しいんだから。てか、君の中の将軍像酷くない?」
ふふっ…と優しい笑顔を向けられるとそれで、と前置きをされて聞かれた。
「僕は好きだけど、君の気持ちは?君こそただの戯れか気の迷い?」
(私の気持ち…?いきなり空から降ってきて最初は強引に連れ去られたことに怒ったりもしたけど、優しい笑顔にドキッとして…繋いだ手が温かくて…それに、私の信じられないような話もこの人は信じてくれた…
側にいたい…笑顔を見ていたい…ずっと……)
自分の気持ちを再確認すると目を真っ直ぐに見て言葉を紡いだ。
「戯れや気の迷いでこんな話し出来ないよ…輪虎様の側にいたい…私も離れたくない。輪虎様の笑顔が見たい…大好き…だから……」
好きと言った事に気付くと恥ずかしくなって思わず俯いてしまったけど、ぎゅっと抱き締められた。
「うん…これからずっと側にいるね。離さないよ。僕も葵の笑顔が見たい。大好きだよ…」
抱き締められた輪虎様の温かさがどうしようもなく嬉しい……
その夜、私と輪虎様はたくさん話をした。
未来の世界のこと、私の家族のこと、ここに来てからのこと…
輪虎様は未来の世界にとても興味を持っていた。
私の制服を手に取ると不思議そうに眺めてまるで新しいことを知っていく子どもみたいな表情でホント可愛い…
そして輪虎様のこともたくさん聞いた。
戦災孤児で殿に育ててもらったこと、その殿に恩を返す為に仕えて将軍にまでなったこと、そして戦場に立ち続けていたこと…
少し輪虎様のことが分かった気がした。
時々感じていた寂しそうな雰囲気はここからきていたなかな?とか…
それでも育ててくれた殿の為に…殿の側にいるために戦場に立ち続けてきたその心はどんな思いだったのだろう…?
そう思うと息が苦しくなる……
そんな事を考えていたらいつの間にか眠っていて夢の中で温かい腕に抱かれていた。
それはとても心地いい……
「これ…生殺しってヤツだよね?」
輪虎様がそう呟いたのは私の知らないこと…