第7章 告白①(夢主side)
輪虎様が出かけると部屋でまた自分の荷物と対峙していた。
(制服を着て話してみよう…そうしたら信じてくれるかも…)
その日、輪虎様が帰ってきたのは外が真っ暗になってから。そして、私は制服に着替えた。
(どんな反応するんだろう?何を言われるのだろう?きっとここには居られない……)
そんなことを考えていたら甲冑を脱ぎ、着替え終わった輪虎様が部屋にやって来た。
「葵?入るよ?」
部屋に入ってきた輪虎様は見たこともない表情だった。
きっと私の格好、雰囲気があまりに奇妙だったんだと思う。
「……葵?」
一息吐くと私はゆっくり話し始めた。
「輪虎様…これが私の国の服です。これが私がいた時代の服です。」
しばらく沈黙があった。でも私には永遠の時間のように感じた。
「………えっ?」
輪虎様からやっと出た言葉はこの一言…そのまま続けた。
「輪虎様…私は3年前、今から約2200年後の世界、中華から海を超えた日本という国から来た人間…私の世界ではタイムスリップと言っていた。信じられないよね…私自身もまだ信じられないから…でも、嘘じゃない…嘘じゃないの……」
輪虎様は青い顔で固まっていて言葉も出ない様子だ。
怖い…本当に怖かった…それでも続けた。
「私がいた世界は戦なんてなくて平和そのものだった。文明は今よりずっと発達していて世界中どこへでも行ける時代。身分の差もなく皆が平等…そんな世界から私は来たの……」
ここまで話してようやく輪虎様の表情が変わっていることに気付いた。
(何を考えているの?…こんな大嘘ついてどういうつもりだ?とかもうこんな奴いらないとか思ってるの?怖い…話さない方が良かったのかな…)
考えが纏まらなくなってきて俯くと涙が滲んできた。