第7章 告白①(夢主side)
自分の想いを自覚してからも毎日は変わらず輪虎様も同じ調子で正直、輪虎様が何を考えているのか全く分からなかった。
(これからどうしたらいいんだろ?)
そんな事を考え始めた頃、王宮に置いてきた私の荷物が届けられた。
それはこの世界に来た時に着ていた制服や教科書、ICカードetc…
部屋で一人、その荷物を眺めていた。
この世界に来てから見ないようにしていた荷物。それは現代を…家族を、友達を思い出してしまうから。
でも、今考えているのはそのことじゃなかった。
(これを輪虎様が見たらどう思うのだろう?
私の秘密を知ったら…それでもここに置いてくれるのだろうか……?)
そこからは毎日そればかり考えるようになっていた。
ある朝、朝食を食べながらまた考えていた。
(輪虎様はきっと戯れでこんなことしてるんだろうな…何をしてくるワケでもないし…私に大きな秘密があることも知らずに…
この事は黙っているべき?話すべき?いや、話しても信じて貰えないよね…)
そんなことを悶々と考えながら食事をしていると不意に声をかけられた。
「葵、今日の訓練は少し遠くまで行くから帰りは遅くなると思う。先に夕食済ませて寝てていいよ。」
ニッコリ微笑まれるともう隠しているのが嫌になった。
(もしかしたら追い出されるかもしれない…嘘つきだと嫌われるかもしれない…それでもこの人に隠し事はしたくない…)
「輪虎様、少し話したいことがあるんだけど…今晩いい?」
真剣な表情で訴えた。
「今じゃダメ?帰りたぶん遅いよ。」
「待ってるから…」
私の真剣な表情に何か感じ取ったみたいだった。
「うん。分かった。なるべく早く帰るね。」
ふっと微笑まれると颯爽と出かけて行った。