第32章 抱擁①(夢主side)【R18】
「あはは…うん…まぁ…戦場の印象しかなかったし…道理で……」
何か言ってたけどよく聞こえなかった。でも、次の瞬間ふわっと抱き締められた。
「そうか…ふふふ…葵に負けちゃった。」
「輪虎?」
「やっと抱き締められた…長かったな…僕やっと葵の所に帰ってきたんだね…」
私もぎゅっと抱き締め返した。
「うん…」
そのまま見つめ合うとキスをした。それはすぐに深いものに変わった…
「ふぁっ…ダメ…体に障るから…」
キスだけで感じてしまって涙が溢れそうになっていた。
「ん~?葵のお蔭でもう大丈夫だよ。そんな顔で言われても説得力ないな~」
それはきっと赤い顔して欲情してる私の顔…
左手を頬に添えられると輪虎は眉間にシワを寄せている。どうやら左手の動きを確かめているようだ。
「う~ん…左手動かしにくいな~参ったな…」
「ほら…やっぱりダメだよ…」
体を捩って逃げようとしたけど出来なかった。
「ふふっ、聞こえない。」
「もう、またそうやって…!」
その言葉は遮られキスされた。
頭に手を添えられきつく抱き締められながら何度も何度も…
私も首に腕を回すとそのままベッドにそっと押し倒された。
気付けば服を脱がされ右手が線をなぞっている。
そこに軽い痛みが走り赤い跡が付けられた。
「あっ…ん…」
「相変わらず綺麗な肌だね。赤い跡が目立つよ。」
「やっ………」
抑えようのない甘い声が出ていた。
「ん…可愛い声。変わってないね。もっと聞かせて…」
胸の膨らみに…先端に手が優しく触れるとそれだけで体の中が熱くなる…
あまり動かない左手も肌をなぞっていた。
「んんっ……あっ…」
唇でも胸を責められ、手は少しずつ下へ降りてきていた。
焦らされるようなその感覚に足をモジモジしていた。