第19章 激情①(夢主side)
馬の前に連れて来られたけど、目の前の牝馬は興奮してて鼻息荒く前足で地面を掻いていた。
「どうどう…落ち着んだ。」
副官が馬を落ち着かせようとしたが全く興奮は収まらない。
「参ったな…これじゃ乗れない…」
(何をそんなに興奮してるのかな?)
そう思い馬に近付き優しく撫で始めた。
「大丈夫…落ち着いて。私、あなたに乗りたいの。ダメかな?」
すると不思議と馬は落ち着きを取り戻し私に顔を擦り寄せてきた。
「これは…驚きました。この牝馬はとびきりの軍馬なんですが気性が荒くて乗り手がなかったのです。」
それは驚きと感嘆の声だった。
「そうなんですか?ふふっ…私は兵じゃないのに乗せてくれるの?」
優しく微笑みそのまま教えられた通りに馬に跨がった。
「では、教えてください!」
「あ、はい!それではゆっくり前に進んでみてください。」
慌てて指導を始めてくれると分かりやすい指導で少しずつ乗りこなせるようになっていった。
汗だくになったけど凄く楽しかった。
「へ~…この短時間であの馬を乗りこなせるようになってる。スゴいね…」
ふと見ると輪虎がいることに気付き馬を走らせて近付いた。
「輪虎!見て見て!だいぶん乗れるようになったよ!」
汗と埃まみれの笑顔で報告した。
「スゴいね。こんな短時間で乗れるようになるなんて思ってなかった。」
「二人の指導が上手だからだよ。それに…歴史はダメだったけど体育は結構得意だったんだ。」
「ん?タイク?何それ?」
「あ、いや…何でもない…」
すると副官が駆け寄ってきた。