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あの日、あの時、路地裏で。

第3章 路地裏イチャイチャ in ミケ



「あれ?」
「あら…」
「あー!きゅうせいしゅのおじさんだ!」
「本当ね。あの時は有難うございました」

「あぁ」


勝手口から顔を覗かせる、あの時の二人。

久方ぶりの再会だが、そんな二人の視線はすぐさまミケの両腕の荷物を凝視する。


「おじさん、すごい沢山だね」
「そうね。お一人では大変でしょう?」


この一言に、が素早く反応した。


「そうなんです!だから、半分下さいとお願いしているのですが、どうしても駄目だと!」


自身は初対面だが、どうやらミケとは面識があるらしいこの二人。
広場に面する店舗から察するに、少女はパン屋、女性は花屋の関係者のようだ。
もしかしたら、店を訪れた事があるのかもしれない。

そんな二人から、援護射撃が欲しい。

そう思ったは先程よりも語気を強めて懇願する。


「ミケ分隊長、下さい!」

「駄目だ」


それでも、バッサリと。


眉尻を下げ、これ以上打つ手なしの。
だがそんな彼女へ、とうとう救いの手が。


「今日も、めおとまんざい?」
「……」
「お姉ちゃん?」
「ちょっと、いいかしら」

花屋の女店主は、パン屋の娘にそっと耳打ちする。

「ふんふん」
「これをね、救世主さんに内緒話してほしいの。お願いできる?」
「わかったー!」
「よろしくね」




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