第7章 「SBK」~二次審査~
「ひっく…、……っく…。」
オレは母さんが、陰で泣いているのを知っていた。
母さんの姿を見て、オレは父さんのせいだと思った。
だから、離婚してからひょっこり現れた父さんにはがっかりした。
出掛ける約束も、
運動会見に行くとしてくれた約束も、
母さんが勧めてくれて始めた、ドラムを聴くという約束も、何一つ守ってくれなかった。
…そんな父親にオレは、どう接したらいいか分からなくなっていたのかもしれない…。
「ゆ…き、や。雪哉…、大丈夫…?」
オレを呼ぶ声が聞こえる…。
オレは、ゆっくりと目を開けた。