第7章 「SBK」~二次審査~
私達は二次審査に向けて、練習を重ねていた。
「ひまちゃん今のところ、サビに向けてクレシェンドかけたほうがいいんじゃない?」
「く、くれ、くれしぇんど…?」
私は昔から運動のほうが得意で、弾ける楽器は一つもないため、楽譜の記号は分かるはずもない。
「あ、だんだん強くするってこと。」
「ふむふむ…。」
記号を覚えてしまえば楽だが、私はそんな頭の要領が残ってないっていうか、暗記が苦手っていうか…。
そんな感じで、言われたことは楽譜にメモすることにしている。
「二次審査楽しみだけど、緊張するねっ!」
と晴花はキラキラと目を輝かせている。
「晴花~。私、緊張でお腹痛くなってきた…。」
「えぇ!?ひまたん大丈夫?よしよし。」
晴花はそう言って、私のお腹をなでてくれた。