第6章 恋の歌
そのころ雪哉と秋人も、恋バナが始まろうとしていた。
秋人side
晴ちゃんとひまちゃんが帰ってから、オレとゆっきーで作曲をしていた。
でもゆっきーは飽きたのか、絵描き歌を歌って遊んでいる。
「かーおは四角、くーちも四角。おめめは、ま・あ・る!」
「いや…、ま・あ・る!…じゃなくて、ゆっきー曲作るぞっ。晴ちゃんに、『可愛い曲調じゃないとひまたん歌わないからな』って言われたからさー。」
「はいはい。」
雪哉は遊ぶのをやめて、曲作りを再開した。
(今日はすんなり作業に取りかかったな…。やっぱりゆっきーは…)
「あっきーってさ、好きな人っている?」
「ふぇ?好きな人?」
急に話しかけられて、間抜けな返事をしてしまった。
オレには、好きな人なんて今のところ思いつかない。
というか、結婚にもあんまり感心がない。
「オレは好きな人はいないよ。」
オレはそう告げた。
その言葉にゆっきーは、
「そ、そっか。いないのか!ははっ!」
と言った。
まるでオレの発言に安心したかのように、ホッと息をはいていた。
(これはやっぱり…、ゆっきーには好きな人がいるな…?)
オレはなんとなくそう思った。
そして、オレは好きな人がいてほしいという願望も込めて、ゆっきーに聞いた。
「ゆっきーは好きな人はいるのか?」