第4章 「SBK」~一次審査~
私達は21歳になった。
「はぁ、はぁ……っ…」
私はタオルとペットボトルを持って、先を急ぐ。
今日は、初めてみんなで路上ライブをする日だ。
「おそ~い!急げ、急げ!」
「また、ギリギリか!相変わらずだな~笑」
「もう、音合わせしちゃうぞ~。」
「はぁ、はぁ…。遅れて、ご、ごめん。」
私は息を切らせながら言った。
「ひまたん、私達は音だししとくから、あんたも早く声出ししなよ?」
「う、うん…!」
私は返事をしたあと、ペットボトルに入っている水を飲む。
「ごくごく……ふぅ…!」
ペットボトルのふたをしめたと同時に、みんなに合図をおくる。
「よしっ!みんないくよ!」