第2章 出会い
「…もちろん、大歓迎だよ!」
真っ先に口を開いたのは、秋ちゃんだった。
「おぅ、オレも!これで晴花はギターに専念できるしな!良かったな、晴花(笑)」
「もー、バカにしてー!私だって弾き語りできるもん!」
「でも、同時に2つのことできないって言ってたくせに~(笑)」
(晴花って意外と不器用なんだな。)
「……もー、雪哉っ!」
「ちょっとちょっと、お二人さん。ひまちゃんが困ってるから。」
と言って、秋ちゃんが2人を止めた。
「ごめんごめん、ひまたん。
私、ひまたんならそう言うと思ってたよ!
ひまたんは、もしかして自信がないのかな?」
「うん…。音楽と歌うことは大好きだけど、自信がなくて…」
悩んでいる私に、晴花は
「音楽は、うまくしようとしなくていいんじゃない?
私は、思ったこと、伝えたいことをそのまま音にすれば、音楽になるんじゃないかって思う!
あんまり、うまく言えないけどね…(笑)」
苦笑して言った。
私を励ましてくれているのだろう。
すると、私の姿を見た雪ちゃんと秋ちゃんも続けて言った。
「自信がなければ、練習すればいいし!」
「たくさん失敗することは、恥ずかしいことじゃないよ。」
(…みんな…。)
自信がない私に、みんなは優しく勇気づけてくれた。
「ありがとう、みんな…。」
心にあった重りが、軽くなった気がした。
「ま、とにかく、これからよろしくね!」
晴花は笑顔でそう言って、右手を差し出した。
私も右手を出して、握手を交わす。
「うん、こちらこそよろしく!」
こうして私は、晴花、秋人、雪哉の4人でバンドを結成した。
私たちが沢山の人達に知られるのは、まだまだ先の話…。