第8章 雨の日
~別の日~
「♪♪~♪…。」
パチパチパチパチ…
演奏が終わって、ちらほらと拍手がおきる。
私達は決勝戦まで積極的に、路上ライブをしていくことにした。
「ありがとうございます!ここで10分間の休憩に入るので、しばらくお待ち下さい。」
私はそう言って、ペットボトルに入っている水を飲む。
すると、
「おねえちゃん、ひまおねえちゃん。」
と、私を呼ぶ声が聞こえた。
後ろを振り返って見てみると、小さな女の子がいた。
「え!ひまたん、妹いたの?!」
晴花は髪をポニーテールに結ながら、驚く。
「ううん、私。一人っ子だよ?」
「でも、ひまおねえちゃんって…。」
(この子誰だろう…?)
私がそう思っていると、その小さな女の子は一生懸命話し出した。
「あのねあのね、さっきのおうた。かのんだいすき!はやくおぼおて、うたえるようになりたいなぁ!!」