第7章 「SBK」~二次審査~
「♪~♪♪…。」
(ふぅ、終わった…。)
「はい、お疲れ様でした。」
一番最初に口を開いたのは、あの強面の審査員だった。
「あ、ありがとうございます。」
私は緊張気味にお礼を言う。
「んー…、木野さんって言ったよね?」
「あっ、はい。」
「基礎がまだまだだな…。ボーカルは、そのバンドの顔と言っても過言じゃないと思うんだ。」
「はい。」
(やっぱり、厳しいなぁ~…。)
「あと歌詞がずらずら長い。」
「な、なんだって…!?」
「ほらみろ!やっぱり、オレが言った通りだろ!
やっぱり、歌詞が長かったんだって…!」
「私の気持ちが込めすぎたか…。」
晴花は頭を抱えて、後悔しているようだ。
「今年は厳しい審査員だね…。」
と言って、秋ちゃんも苦笑いをする。
(うぅ…、さっきから厳しい言葉しか言われてないような…?)
私の心が折れそうになったその刹那。
別の審査員が、
「でも、曲調はやわらかくて、seasonの演奏から、恋する女の子の気持ちが伝わってきました。」
と、言った。
「あ、ありがとうございますっっ!」
私はとても嬉しくて、大きな声で言った。
「それでは、あちらの控え室でお待ち下さい。」
審査員の人に言われ、私達はステージをあとにした。