第6章 お買い物
鬼灯さんのお部屋に入ると、色んな薬品の匂いがして、ベッドでは、一子ちゃん達がスヤスヤと寝ていた。
「何回か来てるのに、毎回ドキドキしちゃうなぁ〜!」
私は、空いている椅子に座って鬼灯さんが帰ってくるのを待っていた。
暫くすると、鬼灯さんが帰ってきた。
「お帰りなさい、荷物運んでもらって有難うございます!」
「ただいま、いいのですよ。」
ぽんぽんと、頭を撫でられて、ふわふわした気持ちになってると、荷物の事を思い出した。
「あっ!これお荷物!」
持っていた荷物を、鬼灯さんに渡すと
「美桜さんちょっと立って下さい。」
「?」
私の背後でガサゴソしている鬼灯さん、立って待ってれば良いのかな?
少し待っていると、ふわっと背中から何か掛かった。
「やっぱり、凄く似合ってますよ。」
そう言われて見ると、掛けられていたのは、着物屋さんで見入っていたあの着物だった。
「これ!何で⁈」
私が、驚いていると
「美桜さんに似合うと思ったので内緒で買ってきました。サプライズですよ。」
色々買ってもらった上にプレゼントなんて、私は、嬉しさと申し訳なさでいつのまにか泣いていた。