第10章 貴女の事
広間に戻り、鬼灯さんが巻物を、数個用意して私は、椅子とかお茶などを用意してあさひが来るのを待った。
20分ぐらいだった時に、あさひが奥から走って来た。
「遅れてごめんなさいっ!少し迷ってしまって。」
「連絡くれれば、迎え行ったのに!」
「あはは、来れると思ったんだけど、私少し方向音痴みたい」
恥ずかしそうに笑うあさひ、では、話しても?と鬼灯さんが声をかけ、あさひは、頷いた。
「大まかに話をしますと、あさひさんが亡くなった年齢は30歳。死因は、腹部などを数十箇所刺されたのち、首を絞められ殺害されました。
犯人は、当時まだ未成年だったあの管理人の男です。」
「あいつがっ!」
「実は、あさひさんの記録が殺害された時のしか、ないんですよ。」
「それは、どうしてですか?」
「分かりません。私も色々探したのですが、見つからなくて…。辛うじて記録課で記録が出来たのが、この日だけだったとの事です。あさひさん何か心辺りありますか?」
「…私は、元々ある山奥の神宮家の、跡取りでした。」
あさひが少し震えながら、話を始めた。