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地獄の果てに

第10章 貴女の事


「ハァハァ、やっと巻けた。疲れた…。」
「あさひ!どうしたの⁈そんな息切らして!」
「美桜!何でここに?」
「お店に行ったら、鈴奏さんがここに来てるって聞いたから追いかけて来たんだけど、来てなくて心配したよ!」
「それが…来る途中変な者に、絡まれて…」
「変な者?」
「うん…」

困った顔を、しながらあさひは、話し出した。

「ここに来る時に、橋を渡ってる途中で、小物を落としちゃって、どうしようか悩んでたら、川から半魚人みたいなのが出てきて、私の小物を拾ってくれたんだけど、いきなり嫁になれ!とかお前は、俺の嫁だ!とか訳の分からない事言いながら追いかけてきて、やっと逃げられてここに着いたの…」
「…私のあさひを怖い思いさせやがって…そいつ絞めてくるわ…」

私が金棒を担いで出て行こうとしたら、
「まぁまぁ、落ち着いて!そいつには、後で僕が話に行くから、暴力は、良くないよ?」
「はっ!怒りで我を失いそうにっ!白澤さんあさひを襲ってきた半魚人って何なんですか?妖怪?」
「彼は、水の精霊みたいな者だよ。この辺の川を守ってる守り神みたいな者なんだけど、惚れっぽくて。川に物を落としてしまった人が女の子だと、すぐ嫁にしようとするんだよ、困っちゃうよね。何回も言ってるんだけど、そろそろちゃんと懲らしめないとダメだね!ちょっと話してくるよ!あさひちゃん後でゆっくり話そうね!」

そう言いながら、白澤さんは、出て行った。
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