第37章 〖誕生記念〗焦れる想いを濃紺の冬空に咲かせて / 徳川家康
────お互い、寂しかったね
公務で離れて、ひと月。
喧嘩してから…また数日。
俺達はすれ違い、離れて過ごして。
でも───………
本当は互いを欲して、辛かったんだ。
『少しでも触れられたら…
"私が"止まれなくなるって確信してた』
ありがとう、俺を求めてくれて。
こんなに愛してくれて、
俺には勿体無いくらいの幸せだ。
こうして、初めて真冬の花火を見て、
あんたと愛し合える刹那は………
まるで焦げるような熱情に駆られ、
俺の中の炎の華が煌めきながら咲き誇る。
「はぁっ…美依……っ」
「ら…めぇ…いえ、やひゅ……!」
「果てそう?いいよ、気をやって」
「んっ…ちゅ、ひたい……!」
(ちゅ……?ああ、口づけのことか)
腰を律動させ、それを受け止める美依が指を噛みながら発した言葉を、俺はすぐに理解した。
以前、美依が酒に酔っ払った時、散々口づけを強請って『ちゅーしたい』と連呼した事があった。
今日はやたら口づけを強請るな。
それもすごく可愛い、さっきから"可愛い"という言葉しか浮かばないのは何故だろう。
俺は腰を掴んでいる手を脚に移動させ、美依の左脚膝裏に手を掛けて上に大きく開かせた。
さすれば、美依の躰は繋がったまま、こちらに半分振り返った体勢になり……
片足立ちになってしまった美依が倒れないように、口に入れた手も離して、しっかり肩を抱き込んでやる。
そうして見えた美依の顔は、とろとろに蕩けて頬が朱になり、目も唇も半開きで。
あまりに愛らしい顔つきに、思わず少しの悪戯心が湧いた。
「……そんなに好いの?やらしー顔」
「い、意地悪……!」
「嘘、可愛い」
「ん……っ」
強請られるまま口づけながら、そのままの姿勢で抽挿を繰り返す。
すると、さっきより深い位置まで昂りが届いて、また感覚が変わった。
それに口づけだけでも気持ちいいし、声も防げるから…やっぱり指を噛ませるより、こっちのがいいかな。
美依の深い深い場所を突きながら、自分も快感に酔い、そして一気に高みに向かって駆け上がる。