第36章 【戦国Xmas2020】明智光秀編
「ぁっぁんっ…も、らめぇぇ……!」
「俺も、そろそろ……っ」
「光秀さ、みつ、ひで、さんっ……」
「ぁ……っ美依………!」
ここには、クリスマスソングはない。
ケーキもないし、イルミネーションもない。
でも…サンタクロースはいた。
ちょっぴり似合わない赤い着物と。
意地悪と優しさを携えた──……
私だけの、
とびっきりのサンタさんが。
「ぁっ…も、らめぇぇぇ………っっ!!」
粉雪が舞うホワイトクリスマス。
ほよの木の下で、想いを交わした私達。
今年もまた───………
たくさんの"愛"が詰まった日になった。
これからも、たくさんすれ違い。
きっと寂しい思いもするのだろう。
でも、もう大丈夫。
貴方が指にはめてくれた約束があるから。
私は前だけを向いて、待っていられる。
いつか『その日』が来るまで…
私は強く強く、生きていくんだ。
「はぁっ…はぁっ……」
「美依…愛している」
「んっ……」
そして、私達はほよの木の下だけでなく、褥でも口づけを繰り返す。
何度も何度も何度も…飽きるほどに。
もっともっと絆を強くして…
二人だけの『永遠』を誓うのだ。
私達は空が白むまで絡み合い…
抱き合いながら、お互いの熱に溺れていった。
光秀さんから贈られた、真鍮の指輪はきらきらと光って…
私の心を穏やかに、優しく温めたのだった。
【戦国Xmas2020】明智光秀編
了