第34章 〖誕生記念〗長い一日の終わりに温もりを寄せて / 石田三成
「気持ち良かったですか?」
「うん、すごく……」
「ふふっ、貴女は素直ですね」
「あ……っ」
私は再度覆いかぶさりながら、美依様の手を取り、自らの熱に触れさせる。
その滾った雄は、すでに限界まで首を擡(もた)げ、硬く筋張って血管が浮き出ていた。
そして、先は濡れて透明の露が溢れる。
それは『欲しい』と声を上げている証拠だ。
美依様はそれを優しく握ると、軽く上下に扱く。
無意識にそれをしたようだけど…
与えられた刺激に、私は思わず息を詰め。
また、はぁっ…と大きく吐き出したら、美依様は少し遠慮がちに尋ねてきた。
「ごめん、痛かった……?」
「いえ、逆です。すごく気持ち良かったので…」
「そっか、なら良かった」
「あの、もう少しだけ触れててくれませんか?」
「うん……」
美依様の手が滑り、先程とは逆で今度は私が愛撫される番だ。
にちゅっにちゅっと卑猥な音がして、美依様の手のひらが昂りに這って動く。
それは、とても甘美で心地良い。
直接的に腰にくる、そのもたらされる快感は、何よりも刺激的で甘くて…
漏れる息も我慢出来ずに、思わず表情まで歪めてしまうと、美依様はなんだか優しく笑った。
「三成君…なんだか、綺麗」
「え……?」
「瞳の紫がすごく濃くて、鮮やかに輝いてて…まるで紫色の宝石みたいだよ」
「……っ」
「男の人に綺麗って言うのも、おかしいかな」
(それは、貴女に欲情しているからですよ?)
どこかの文献で読んだ事がある。
行為の際、瞳が色濃く輝くのは…
興奮して血流が増しているからだと。
それは、つまり情欲に駆られているから。
貴女が可愛くて、可愛すぎるのが原因で。
酷く…貴女を欲しいと思っているから。
「三成君……?」
くすっと笑う私に、美依様が名前を呼ぶ。
私は美依様の手を掴み、昂りから離させると、そのまま褥へと縫い付けた。
そして、反対の手で、美依様の脚を割る。
膝裏に手を掛け、大きく押し開いて。
さすれば、先程ぐずぐずに蕩かした美依様の蜜部が露わになり…
私はそれを見ながら、穏やかを装って激しい情を悟られないように言葉を紡いだ。