第34章 〖誕生記念〗長い一日の終わりに温もりを寄せて / 石田三成
「んっ…ん、んぅ……」
────そして、訪れる
私と愛しい貴女の、甘やかな時
「んっ…美依、様……」
「はぁっ、みつ…っんん……」
名前を呼び、再度噛み付くように口づける。
美依様は私の膝の上に座り、しがみつきながら…
その顔を蕩かし、熱を上げていた。
宴が終わり、御殿に帰ってきて。
自室に入った瞬間、私は美依様に口づけていた。
もう、触れたくて触れたくて…
昼間寂しかった分、それを埋めるように深く深く。
舌を絡ませ、吐息まで混ぜ合わせれば、美依様も一生懸命それに応えてきた。
「んっ…ぁ、ふ……」
時折、甘い吐息を漏らすのが堪らない。
ああ、気持ち良さそうになっているな。
そう思えば、ぐっと腰を引き寄せ、さらに密着して口内を貪る。
やがて、儚い水音を立てて離れれば…
銀糸が伝った先に、酷くとろとろになった美依様の顔があった。
「あ……」
「美依様……」
「……っ、三成君どうしたの…?」
私が美依様の首筋に顔を埋め、匂いをかぐようにすると、美依様は少し上擦った声を出した。
美依様の匂いと体温。
やっぱり落ち着くな、これ。
そう思いながらふふっと笑い、また鼻を押し付けるように擦り寄った。
「美依様を堪能しています」
「そ、そっか……」
「今日一日、美依様不足だったので」
(本当に、美依様不足はしんどい)
顔を見られなかった一日、本当に長かった。
触れたくて堪らなくて、今やっとそれを補給できる。
ちゅっ……
私は唇を首筋に這わすと、そのままきつく吸い上げた。
するとそこには、赤い華が咲き…
『私のもの』という独占欲の表れが、鮮やかに色付く。
「ちょっ…そんなとこ、だめだよ……っ」
「貴女が欲しいんです、美依様」
「三成君……」
「誕生日の贈り物…さっき貴女から貰いましたけど、貴女自身も贈ってください、と言うのは駄目でしょうか?」
その口づけの痕を見ながら問う。
さっき美依様から贈り物は貰ったけれど…
私としては"こっち"も欲しいのだが。