第32章 〖誕生記念〗蛍火、恋空に瞬け / 伊達政宗
────溶けて、溶けて
全て混ざり合って、熱を分け合って
初めて一緒に過ごす夜は、蛍みたいに煌めく。
お互いを求めて艶やかに乱れるから、
その吐息も、少しだけ涼しい空気に入り交じり、
桃色に染まりながら、俺達の世界を支配する。
「んっ…やぁ、ぁ……っ」
美依が褥を掴みながら、また腰をしならせる。
開かれた脚、その中心に顔を埋める俺は、また泥濘に舌を伸ばしては蜜を舐めとった。
……甘い。
癖になりそうなくらい強烈だ。
これが美依の味、と思えば愛しくて、さらに愛撫する舌と指が動いていく。
美依はひたすらに天井を仰ぎながら躰をくねらせ、甘い声を漏らして…
その涙声は俺の耳から内部を侵し、躰を芯から熱くさせた。
────あれから、蛍のいる廃墟を後にし
近くの小さな宿に行って、俺はすぐさま美依を褥に組み敷いた。
御殿に帰るまで待てない。
すぐにでも美依を堪能したかった。
初めて暴いた躰は、甘く柔らかく、熱く…
案の定、俺をそれしか見えなくさせるくらい虜にした。
(本当に堪んねぇ…美依)
月明かりに浮かぶ、白い肌。
それを恥ずかしそうに、薄紅に染めて。
なのに、堪えきれないと言ったように、可愛くよがるから。
もう、お前しか感じられない。
今夜はきっと、世界には俺とお前しかいない。
そう、馬鹿みたいに思った。
「んっ…美依……」
「そんな、とこっ…も、だめぇ……っ」
「すげぇ可愛い、次から次に溢れてきて」
ぢゅっ…ぴちゃっ……
軽く吸って、花弁を甘く食んだり、舌を中の方まで差し入れたり。
指では赤く膨れる蕾を弄って。
小刻みに弾いたり、円を描くように指先で弄べば、さらに愛液が零れて俺の唇を濡らした。
美依は敏感なんだな。
その感じやすい所も、堪らなく可愛い。
それだけで腰が疼いて、ぞくぞくする。
もっともっと、感じさせたくなるな。
とろとろに溶かして、甘く啼かせて。
『あまり経験がない』と言っていた美依に…
これ以上ないくらいの快感を与えて、気持ち良く乱れさせたくなる。