第30章 〖誕生記念〗恋々路に降る星屑と煌 / 織田信長
「良いな、その顔…堪らん」
「はぁ…はぁっ……」
「心も躰も疼く…艶っほい顔だ」
「んっ……」
そのまま唇を塞がれ、とろりと舌が絡み合う。
信長様の口づけは優しい。
言葉は横暴な時はあっても…
泣きたくなるほど優しい触れ合いに、自然に涙が溢れそうになった。
首に腕を回してもっと引き寄せると、信長様も私の腰に腕を回して、また躰が密着する。
熱くなった肌と肌が触れ合い…
まるでそこから溶けてしまうんじゃないかと、そんな錯覚まで覚えた。
(あ……)
信長様が顔を上げると、首元で麻紐が揺れる。
裸の胸元に光る、黒瑪瑙。
信長様を守ってくれますようにと…
思わずそれに指で触れれば、信長様は私を見下ろしながら小さく笑った。
「どうした」
「いえ…よくお似合いだなって」
「当たり前だ、貴様が作ったのだからな」
「……っありがとう、ございます」
言われる言葉も、全てが甘い。
堪らずもう一度頭を引き寄せ、今度は自分から口づけた。
それでも、すぐに囚われてぐずぐずにされる。
吐息まで全て絡んで、混ざり合って。
それが最高に心地いい。
信長様が触れる所も、全部が気持ち良くて…
もう、二度離れられないと。
そんな風に思えば、絶え間なく愛しさが溢れ出した。
「………!」
と、信長様が上半身を上げ、私の太ももを改めて大きく割る。
そして脚の間に下半身を擦り付けられた。
信長様によってトロトロにされたその蜜部に、硬いものが圧迫しているのが解って…
私が思わず躰を強張らせると、信長様は私の顔を覗き込みながら、穏やかな声で言った。
「……怖いか、美依」
「い、いえ、そんな事ありません」
「ふっ…涙目でよく言う」
「これは、嬉し涙ですからっ」
私が言えば、信長様は少し眉を寄せ、困ったように笑う。
こんな可愛い笑い方をするんだ。
これは、きっと私しか知らない顔。
それを知ることが出来て…とても嬉しい。
すると、信長様は私の緊張を解すように、太ももの裏側を手のひらで何度も撫でて。
それが気持ち良くて、ふっと力を抜くと…
その圧迫していたものが、ずくりっと少しだけ侵入してきた。