第26章 【Xmas企画】甘い彼氏はサンタクロース / 織田信長
「着るだろう?この南蛮の花嫁衣裳を」
「は、はいっ……」
「着ないと言う選択肢はないが」
「そんなの、知ってます……!」
信長様はふわりと私の顎を掬い。
そして、そっと額に唇を押し当てる。
柔い温もりは私の涙を誘うのに……
信長様はさらに甘く優しい言葉をくれた。
「愛している、美依。俺の妻になって、一生涯愛され続けろ。決して貴様を離したりはしない…一生愛し、守ってやる」
(………っっ)
ああ、この人にはやっぱり叶わない。
私だけのサンタクロースは……
こんなに甘く優しい幸せをくれる。
そして、約束してくれる。
この先の未来も、何もかも。
貴方に愛され続けるなんて──……
眩暈がするほど、幸せな事だ。
「貴方に…一生ついていきます、信長様」
精一杯答えて泣き笑いを見せれば、瞬時に唇を塞がれた。
甘く深い口づけは、また私を芯からトロトロに溶かしてしまうのだけど……
私は貴方の熱にいつまでも火照らされて。
そんな毎日が続くんだろうって…贅沢で幸せな未来を夢見たんだ。
────聖夜に祈れば、きっと届く
それは白いヒゲを携えた、
想像上のサンタさんじゃなくても。
私だけの、甘く優しいサンタクロースが
贈り物を届けてくれること。
天主の外には、いつしか白い雪が降り始め、外を銀世界に染め始めていた。
私の『彼氏』はどこまでも俺様な人だけど。
そんな白い世界に、鮮やかに色をつける。
私を極彩色の華に変えてくれる、優しい人だ。
私だけのサンタさんがくれた贈り物は……
どこまでも煌めいて、私を宝石みたいに輝かせてくれるから。
いつか着る日に思いを馳せて。
今日も愛しい鮮やかな蜜夢に溺れていく。
【Xmas企画】甘い彼氏はサンタクロース / 織田信長
了