第21章 〖誕生記念〗愛され兎と真紅の『かれし』/ 織田信長
「あっ…信、長、さまぁぁっ……!!」
────びくんっっ!
全身が痙攣し、ぎゅうっと子宮が締まる。
愛しい人の名を呼びながら、躰も心も頂点に登り詰めると…
信長様も私を力強く抱き締め、耳元で低く唸り声を上げた。
直後、お腹の中に放たれた温かいもの。
それが、満たされたと思っていた私自身を、またさらに潤し、幸せに導いていく。
(信長様が、中だ……)
そう思うや否や、視界が滲んで。
でも、雫が溢れる前に、それは骨張った指で拭われてしまう。
耳に微かに掛かる、荒れた息も…
全てが愛しくて、この人が大好きだと思った。
「美依……」
「信長、さまぁ……」
「愛している、美依」
「私も、愛しています……!」
そのまま、姿勢を変えて向かい合う。
どちらともなく重なった唇は、すぐに深い口づけになって絡み合った。
この方を、愛せて良かった。
お返しに愛してもらえて、こんなに嬉しい事ってない。
たまにはすれ違ったりしても……
これからも、ずっと一緒にいましょうね?
熱情の心のままに触れ合う。
溶けて溶けて混ざってしまうまで……
甘く、蕩ける夜は終わらない。
私達は狂おしいほど求め合いながら、お互いの熱を分け合っていった。
離れていた分の、寂しさを埋めるように。
剥き出しの心を、さらに曝け出して重なり合った。
*****
『貴方の匂いと温もりを感じていました』
夜着を抱えて、泣きながら眠っていると思えば、なんとも愛らしい事を言う。
本当に、貴様は俺の手に余る。
想像を遥かに越える答えが返ってくるし…
その行動も、俺の予想外の事ばかりだ。
だから、こんなにも愛しい。
目が離せなくて…本当に困る。
そんな俺に初めは戸惑いを感じていたが、これも貴様が俺にもたらした変化なのだろうと思う。
(そんな自分が嫌ではないからな)
まだまだ、この女は俺の予想外の事をして驚かせるのだろう。
それに付き合ってやるのも一興だ。
だから、俺に一生愛される覚悟を決めろ、美依。
────貴様への想いは消えない
未来永劫、それは確信できる事なのだから