第21章 〖誕生記念〗愛され兎と真紅の『かれし』/ 織田信長
すると、信長様はふっと笑って…
私を掻き抱きながら、帯に手を掛けた。
しゅるっしゅるっ…と布擦れの音が響いて。
身体を暴かれる感覚に、私は見る間に昂っていく。
「欲しいだけくれてやる、その代わり…俺にも寄越せ」
「は、はいっ……」
「────愛している、美依」
「あっ……!」
そのまま、熱い二つの身体が重なって、寂しかった天主が一気に色付いた。
私は信長様に身を委ねて…
大きな手が身体を這うたびに、過敏なほどに肌を震わせた。
寂しかった、
信長様にずっとずっと触れたかった。
(私も愛しています、信長様──……)
身も心も、あっという間に溶かされていく。
私は自分の激情に素直に流されて……
与えられる甘い熱に、溺れていった。
*****
「やっ…ん、ぁっ……」
甘ったるい声がする
それは自分の声なんだけれど、
自分じゃないみたいで恥ずかしい
肌を滑る骨張った手は、
私の気持ちいいようにだけ触れてきて…
ただただ啼かされる現実に、
幸せで胸がいっぱいで、苦しいくらいだ。
「美依、どうだ……?」
「き、かない、で…くださっ……」
「本当に愛らしいな、貴様は」
うつ伏せの私を、信長様は背中から抱え込み、腕を前に回して胸の先をピンピンと弾く。
かと思えば、押して潰されたり、つまんでクニクニと擦ったり…
その緩急つけた触れ方は、私を煽る材料でしかない。
そしてその間に、背中には口づけが降る。
柔く食まれながら、音を立てて吸われ、時折柔らかい舌が肌をくすぐって。
「ぁっ…んんっ、やっ……」
抑えることが出来ない声は、天主中に響いてしまう。
恥ずかしいのに、止まらない。
堪えることが出来ない。
快感の波は大きくなって私を襲い、何かが迫り来るたびに、お腹の中が熱くなって、きゅうっと疼く。
(もう…何も考えられな……)
思考まで溶けて、頭が霞がかって。
愛する人の手でグズグズにされてしまい、もう躰全体が蕩けて流れてしまいそうだ。
そんな中で、信長様は背中から腰に向かって口づけを落としながら、可笑しそうな口調で私に尋ねてきた。