第12章 【現代パロディXmas】伊達政宗編《後編》
『いい子に、啼け……美依』
マンションのお兄ちゃんの部屋で、
襲われるように始まった、灼熱の蜜事。
私の『初めて』は奪われてしまうと
そう、覚悟してのに──……
ここでも、お兄ちゃんは
自分を押し付ける事はしなかった。
白濁とした熱は、脚の間に放たれ
それが、私の躰に入ることはなかった。
いつも強引で、俺様なお兄ちゃん。
でも、触れる時は、とことん優しい。
我慢、してるの……?
私が大切だから。
私のこと…すきだから。
だから、傷つけまいと…
私を、守ってくれているの?
嫌だ
そんなの、違うよ
だって、
ワ タ シ オ ニ イ チャ ン ト
「……っ待って!」
私は流されそうになるのを必死に堪え、身をよじって兄貴の腕から逃げ出した。
こんなの違う。
私は、こうしたいんじゃない。
そう思い、真正面を向いて兄貴に向き直った。
「美依……?」
顔を見てみれば、キョトンと間抜けな顔。
そのくせに瞳は潤んで、熱を帯びて赤くなっていて。
欲情してるくせに、我慢してる。
そう思ったら、何かやるせなかった。
「こんなの違う、違うじゃない」
「え……?」
「こんなの優しさじゃないよ、なんで自分ばっか我慢するの?普段は強引なくせに、肝心なとこで……!」
「美依……」
「さっき解ったの。私、私ね……」
そのまま、兄貴の胸に顔を埋める。
熱い肌から、心臓の音が聞こえてきて…
────ひとつになりたい
私は素直に…そう思った
「許されなくてもいいの、誰にも」
「え……」
「お兄ちゃんが居れば、何も要らない、欲しくない。私が欲しいのは…お兄ちゃんだけだよ」
「……っっ」
「だから、お願い」
必死に言葉を紡ぐ
まだ伝えてない…赤裸々な想いを
私なりの、精一杯で
「お兄ちゃんが、すきだよ。すき、誰よりもすきなの。だから…挿れて。私、お兄ちゃんをもっともっと感じたいよ────…………!」