第12章 【現代パロディXmas】伊達政宗編《後編》
「────…………っっ」
────刹那
荒(すさ)ぶ一陣の風が、心を薙いだ。
それは、私の心の殻を破り…
取っ払って、丸裸にする。
(兄貴────…………)
悟るのは…
解らなかった、感情の意味
拒めない理由
抗えなかったのは
私は嫌じゃなかったからだ
そして、今も────…………
「美依……」
兄貴の手が、私の身体を這い始める。
するり…と中に忍び込んできて、直に私の肌を撫でた。
直後、スイッチが入ったように、身体が疼きだす。
熱を帯び、火照って過敏になって。
兄貴を受け入れる、いやらしい身体に変化していく。
「お、にい、ちゃ……」
私が兄貴の顔を見上げ、小さく頷いたのを合図に。
政宗兄貴は、くしゃっと顔を歪め、私の身体を一気に暴き始めた。
熱い手、濡れた唇。
それらが私を襲い、ぐずぐずに溶かしていく。
「ぁっ…んっ……」
「美依っ……!」
「おにい、ちゃ……!」
許されない事だと
頭では理解していても…
この気持ち、強い激情は
もう…歯止めなんて効かない
────…………私、兄貴のこと
18歳のクリスマスイヴ。
高校生最後の…サンタさんが来る日。
私は、一番許されない愛をもらってしまった。
でも、それでもいいの。
誰も許してくれなくたって……
お兄ちゃんがいるなら
愛してくれるのなら
私は、何も怖くないから──……
*****
『お兄ちゃん……』
『どうした、美依』
『もう、お父さんとお母さんとみんなで暮らせないんだね』
『寂しいか?』
『うん……』
『大丈夫、お前には兄ちゃんがいるから』
『どんな時も、お前を守ってやる、美依』
いつも優しいお兄ちゃん
強引で俺様で、でも……
いつも、一番近くに居てくれた
私は思ったの
お兄ちゃんが居れば、何も要らないと
それは、今の瞬間も
その手を繋いでいてくれるなら
私は、もう、全て満たされるの