第12章 【現代パロディXmas】伊達政宗編《後編》
『美依にはサンタさん、来ないのかな』
『来るから安心しろ、大丈夫だ』
『本当に?私、待ってていいのかな』
『来なかったら、俺がサンタになってやる』
あれは、小さい頃の記憶
お兄ちゃんは、私にいつも優しかった
お父さんとお母さんが居なくて
寂しくて、いつも膝を抱えていた私を
温かい腕で、包んでくれたんだ
そして────…………
『あーあ、フラれちゃった、彼氏に』
『また次作ればいいだろ』
『兄貴みたいに、女を絶やさずにいる人間とは違うの。せっかくカッコイイ人だったのになぁ』
『なら…慰めてやろうか』
『え?』
『俺の方が、もっといい男だぞ、美依』
これは、今年の夏
茹だるような、暑い日だった
この後、兄貴は
私を…『大人』にした
まるでピーチの微炭酸
甘くて刺激的で
中毒になるような蜜時
あの日から、きっと……
『兄貴』から『政宗』に
変わっていったんだ──……