第10章 【童話パロディ】シンデレラ《後編》/ 豊臣秀吉
《満足そうに本を閉じる信長》
どうだった?
イケメン戦国版のシンデレラは。
何、他の配役でも読んでみたいだと?
それは俺に言っても仕方がないな
作者に直談判するのだな(笑)
まぁ、甘く優しい王子と言う面では
秀吉は適役なのだろう。
例えば、家康あたりが王子になったなら……
変わらずの天邪鬼っぷりで、素直に話が進むまい。
政宗が王子だったら……?
多分、自ら国へ出向いて運命の女を探すだろう。
舞踏会自体、開かれぬかもしれんな(笑)
貴様、他の男の名前を出すとは、いい度胸だ。
今、俺の腕の中に居るという事を忘れるな。
本の中のシンデレラ同様……
貴様を愛し尽くしても良いのだぞ?
ほう、それが貴様の答えか
承知した、なら──……
俺の腕の中で啼くがよい。
愛しく淫らな、シンデレラよ。
《本を褥横に放り投げ、貴方を組み敷く信長。
読み手の信長と、聞き手の貴女と…この先の物語は、貴女の頭の中で想像してみてくださいね。
それではイケメン戦国版シンデレラは、この辺でお開き、あらあらかしこ》
【童話パロディ】シンデレラ《後編》/ 豊臣秀吉
終