第8章 【Twitter企画】淡紅姫-泡沫に燃ゆる-/ 豊臣秀吉
「……解った、美依。今、楽になろうな」
俺は美依の細い腰に腕を回し、ぎゅっと引き寄せた。
震える身体を、安心させるように。
火照った身体が触れ合えば、まるで溶け合ってしまうかのような……
そんな心地さえ、覚えた。
────美依が苦しがって、助けを求めてる
俺に助けを求めてるのに、助けない理由があるのか?
熱に浮かされてでも、なんでも……
『秀吉さん、助けて』とそう言った。
それだけで、助けるには充分な理由だ。
例え、そこには『気持ち』はなくても。
今そうしてやれるのは…俺しかいないだろう?
「美依……」
「秀吉、さんっ……」
「助けてやる。俺が渇くお前を満足させてやる、死ぬほどに」
「……っっ」
「だから、安心しろ……な?」
優しく耳元で囁いてやれば、また美依は身体を震わせ、小さく何度も頷いた。
背中を手で這えば、熱すぎる体温が直接伝わる。
そう言えば、俺も熱くなってたんだよな。
撫でる手が熱を帯びていた事を改めて思い出して、身体がまた渇いていく感覚を覚えた。
そうして再度重なり合った唇は……
甘く甘く、何故だか少しほろ苦かった。
でも今は、今だけはお前に溺れたいと。
その欲望が勝って、味なんて忘れてしまうのだけど。
*****
「ぁっ…ぁあぁっ!んっんぅ…んっはぁっ…!」
くちゅっ…ちゅぷっくちゅくちゅ…くちゅっ……
秋の夜は、長くて涼しくて清い。
そんな空気をぶち壊すかのように、部屋中には桃色の吐息が支配して……
まさぐる指から発せられる淫靡な水音が、それに輪をかけて色濃く空気を染め上げていた。
美依は先ほどから胡座をかいた俺の膝に、後ろを向いて座り、胸に背中をもたれかけさせながら、大きく脚を開き……
その蕩けた中心を、俺の指二本で愛撫されていた。
美依の中を抜き差しする指が、鮮明に瞳に映る。
咥え込む蜜口がパクパク動き、欲しがって見えて……
そのどこまでもいやらしい様に、俺は一度コクリと唾を飲んで、美依の耳元で囁いた。