第1章 【ドリノベ内企画】路地裏アンアン in 光秀 / 明智光秀
「───………愛しているよ、美依」
改めて、その想いを呟けば、
それはまるで、空駆けるほうき星のように
煌りと光って、俺の心に瞬いた。
そのまま、ふわりと美依を横抱きにし、
愛しく思いながら、その額に口づけを落とす。
これは、約束の印だ。
お前が目覚めたその時には……
改めて想いを伝えると誓おう。
(そうしたら、またこの腕にお前を抱きたい)
今度は温かな褥の中で、
お前がぐずぐずに蕩けるくらいに甘やかして。
その前に、お前の気持ちを確かめなくてはな。
好きな男はいるのか、
俺のことは好きか。
もっともお前が他の誰を好きであれ……
策略を巡らせ、かっさらえばいいだけの話だ。
────影に咲く者として
多分、日の光の温かさを知ったなら
もう、後には戻れないのだと、そう思う
美依、お前は俺には少し眩しすぎる
でも──……
お前が俺の傍に居てくれると言うのなら
その時は、たくさんいじめた後で……
溶けるくらい、愛してやろう
これからも、お前を心配させるだろうが
俺は、お前だけは決して裏切ったりしない
お前はいい子だから……解るな?
路地裏には、いつしか夜の帳が下り、
薄暗い通りが、さらに闇に包まれていた。
秘密裏の、人目を避けた俺達の交わりも。
それに溶けてしまうかのように、
いつしか無いものになってしまうのか?
けれど、胸に燃えた熱情は消えない。
火照った身体はなかなか冷めないから、
この身を持って、お前に示していこう。
お前はただ、俺に困って、むくれて、
そして、その後いつものように笑ってくれ。
────それだけで、俺は光の下を歩いて行ける
腕の中のお前は温かい。
俺は『お仕置きの証』をこっそり残すために……
そっと、一枚。
その真っ白な胸元に、赤い花びらを咲かせたのだった。
【ドリノベ内企画】路地裏アンアン in 光秀
終