第6章 ※ニオイニサソワレ
それから1週間後、空き時間がある度に、家康は清香に読み書きを教えていた
「結構慣れてきたね。覚えも良いし」
「家康のお陰だよ!ほんとにありがとう!」
次第に慣れてきた清香は独自で書物を読むほど没頭していた
「じゃあ、今日はここまで。この書物、続きが気になるなら、自分で読んでみたら?」
「そーする。ありがとね!」
「随分、清香と仲が良いな、家康」
家康は、政宗の御殿で書類の処理をしていた
「それが何ですか?」
「いや?本しか興味のないお前が珍しいと思ってな」
「…」
そう言われればそうなのかもしれない
早くやる事を終わせて、清香の勉強を教えたいと思っている自分がいた
1つ覚える度に嬉しそうに笑う清香を思い出す家康
「すげー感情移入してんな、お前」
「…政宗さん、そこ間違ってます」
「あ、ほんとだ」
清香は時間を忘れるまで、家康に借りた書物にを読んでいた
気付けば丑の刻は回っていた
「あー、面白かったー」
全て読み終えると、腕を上にあげ、一気に脱力した
「どーしよ…今から返しに行っても大丈夫かな?」
行こうか行くまいか悩んでいると…
「清香?起きてる?」
「家康?起きてるよ!」
「入るよ?」
「どーぞ」
家康は少し眠たそうに清香の部屋に入った
「どーしたの?」