第2章 タイムスリップ
すかさずブレザーのポケットに入れてた携帯を取り出し、撮影した
(よし!)
石碑に背を向け、由紀たちが集う店に歩きだそうとした
その時──
「えっ?」
突如視界が揺らぎだし、清香を闇に引き込んだ
────
「ん…あれ?…」
目を覚ました清香は見知らぬ和室に倒れていた
「ここ、何処?って、あっつ!!何?!火事?」
辺りを見渡すと、真っ赤な業火に包まれていた
「ちょっと、嘘?!…とにかく逃げないと!」
慌てて外に出て、出口を探そうと走り出したら
「え、人?」
そこには時代劇で見られる黒い甲冑を着た男の人が柵にもたれ掛かり、目を閉じて寝ていた
「あの、危ないので起きて下さい!あのー!早くー!!」
見殺しにするわけでもなく、清香は男性を起こそうと試み、肩を揺らした
パニックになっていた清香はとにかく必死だった
「お願いだから、はや…「なんだ、貴様」!」
男は目を開け清香の方をじろりと睨んだ
「よかったぁ…あの、火の手が上がってここは危険です。だから…」
逃げましょう
そう言おうとした時、別の男が刀を掲げ、こちらに振り落とそうとしてきた
「?!早く!私の手を掴んで!」
ぐいっと男の手を掴み、走り出した
「あれ、何処…」
「違う。こっちだ」
「わっ!」
逆に手を捕まれ、出口へと駆け出した
「危なかったぁ…し、死ぬかと思った…」
外に出た清香と男は燃え上がる建物を見つめた