第7章 調査兵団とハンジ班と時々リヴァイ
「おい…チビ新兵、うるせぇーぞ。だいたいなぁ、リヴァイ兵長あろう方がお前みたいな…………」
ゴリッ!!!
オルオはうつらうつらし始めたウーランに脚を踏まれてしまった。
「ぐぉぉぉぉぉぉ!」
「ちょっとオルオ…手入れの最中油断するとウーラン寝るからって何度言えば分かるのよ………」
冷めた目でペトラは手入れの終わった馬を馬房につれていってしまった。
気の毒に思ったが、からまれるのは御免だったので、クレアもそそくさとその場を去った。
入団当時は3班合同でも昼を少し過ぎたりしていたが、今では2班分の人数でも、お昼を過ぎることなく終了できるようになっていた。
ハンジからの終了の号令もあり、食堂へ向かおうとした時、意外な人物から声をかけられた。
「クレア!」
振り返ると、そこにいたのは、エルドだった。
背が高く、リヴァイ班の精鋭で、よくリヴァイの代理で訓練の指揮などもしていた。
クレア自身はあまり話をしたことがなかったが、なんの用だろうか。
「エルドさん?どうされましたか?」
「あのさぁ、ちょっと聞きたかったんだけど、クレアの同室のこって………名前なんだっけ?」
「…?フレイア・コートニーのことですか?」
「あ、やっぱり!」
「どうかされましたか?」
「い、いや!なんでもないんだ!お疲れー!」
エルドは走っていってしまった。
いったいなんだったのだ。
「まぁ、いっか。」
壁外調査の日程も決まり、自分の課題にもめどがたってきた。
少し晴れ晴れとした気分でクレアは食堂へとむかった。