第45章 プレゼントは奇行種
久しぶりに見たクレアの私服姿。
久しぶりに見たクレアの笑顔。
久しぶりに見た鈍感無自覚奇行種のクレアの姿。
飲み屋でハンジの酒に酔って、踊り出した時は心臓が止まるかと思った。
楽隊から渡されたタンバリンを手にすると、しなやかに、可憐に踊りだしたクレア。
タンバリンを蹴り上げた時の音が自身の胸の鼓動と同調したのを思い出す。
しかしそれと同時に、あの子供の様な無邪気な笑顔と、色っぽく誘う奇行種な魅力で周りの男達の視線を集めた時は嫉妬で腸(はらわた)が煮えくり返りそうだった。
かと思えば、一緒に踊ろうと満面の笑みで駆け寄ってくるクレア。
愛くるしくも熱っぽい視線を自分だけのモノにできたはいいが、今度は自分が振り回され客達の笑いの的となる。
そして、愛くるしくも魅力的な表情は一気に好戦的なサディスティックなものに変わる。
もう心臓が止まりそうになったり、かと思えば飛び跳ねる様に高鳴ったりと、自身の誕生日のための席だったというのに散々な飲み会だった。
だから…だからほんの仕返しのつもりだったのだ。
ほんの仕返しのつもりでリヴァイはクレアに自分の目の前で自慰をさせた。
だが、あまりにも従順に、扇情的に乱れていくクレアの姿に、またもや振り回されたリヴァイ。
健気に一生懸命絶頂を得ようとしているクレア自身にも嫉妬をしてしまうというなんともわけの分からない事態になってしまった。
悔しい…
いつもいつも自分ばかりが振り回されている…
そんなクレアを完全に支配したくても結局はこの鈍感無自覚奇行種にしてやられてしまうのだ…
分かってはいる…
分かってはいるんだ…
そんな所もクレアの魅力であり、何よりも自分はそんながクレアが大好きなのだと…
でも自分は男だ。
いつも振り回されっぱなしでは男として悔しく思ってしまうのも致し方ない。
だからせめてもの悪あがきくらいさせてくれよ。
そう心の中で呟きながらリヴァイは欲望のままにクレアを揺さぶり続けた。